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嫡出子と非嫡出子

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年8月30日

1 従前の嫡出子と非嫡出子の相続分の違い

婚姻関係(結婚している状態)にある男女から生まれた子を嫡出子、そうではない子(例えば内縁関係にある男女から生まれた子)を非嫡出子といいます。

日本の民法では、長い間、嫡出子と非嫡出子がいる被相続人に相続が発生した場合において、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1であるとされてきました(旧民法900条4号但書き前段)。

2 最高裁判所による違憲判断と法改正

しかし、平成25年9月4日に、最高裁が旧民法900条4号但書き前段を違憲であると判断しました。

その理由として最高裁は、これまでの経緯を述べながら、法律婚制度の「下で父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許され」ないとしています。

「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と定めた憲法14条1項に反しているとされました。

その結果、遅くとも平成13年7月以降に開始した相続においては、法律上、嫡出子と非嫡出子を不平等に扱うことは許されないこととなりました。

そして、この最高裁決定を受けて、民法の規定が以下のとおり削除される形で改正されました。

民法900条「四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」

そのため、これから開始する相続では、嫡出子と非嫡出子の相続分は同じであるとされることとなります。

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遺産分割についての知識

相続における「嫡出子」と「非嫡出子」の違い

遺産分割をするにあたり、相続分は民法で定められています。

例えば、自分の親が亡くなり、父または母(配偶者)と子どもが相続人となっていた場合には、配偶者と子どもは、2分の1ずつ相続することになり、子どもはその人数にしたがって、さらに均等に財産を分割することになります。

しかし以前は、子のあいだでも、相続分が不平等に扱われていたことがありました。

それが、婚姻関係にある男女から出生した「嫡出子」と婚姻関係にない男女から出生した「非嫡出子」です。

日本の民法では、長い間、相続において、その相続分が非嫡出子は嫡出子の2分の1であるとされてきました。

しかし、平成25年9月4日に、最高裁がこの規定を違憲であると判断しました。

自分の父母が婚姻関係になかったということは、子どもが自ら選択したり、修正したりすることができない事柄です。

最高裁は、子どもが自分ではどうすることもできないこうした事実を理由にして、非嫡出子となる子どもに不利益を及ぼすことは許されないと判断したのです。

現在では嫡出子と非嫡出子との間で相続分に違いはありません。

平等に相続財産を分割して相続できるようになりました。

このように遺産分割については、法改正の議論になることも多く、非嫡出子の問題のように、実際に法改正されるケースも見受けられます。

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