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相続財産調査はどのようにすればいいですか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年8月1日

1 相続財産調査の概要

遺産分割の前提として、相続財産の調査は必須となります。

相続財産の一部を把握せずに遺産分割協議をした場合、その後に新たに相続財産が発見されると、その財産については別途遺産分割協議が必要になってしまう場合があり、相続人の方の負担が大きくなってしまいます。

相続財産を一括で手軽に調査できる手段は、現時点ではないと言わざるを得ません。

基本的には、被相続人の残している財産に関する資料を手掛かりにして地道に調査を行う必要があります。

それらの資料をもとに、必要に応じて、金融機関や市役所等の関係機関に問い合わせをし、被相続人の財産に関する正確な情報を取得します。

2 主な相続財産の種類

主な相続財産の種類としては、不動産、預貯金、有価証券(株式、国債、社債、投資信託など)、賃貸物件を持っている場合の賃料債権、誰かにお金を貸している場合の貸金債権、貴金属・宝飾品などの高価な動産が挙げられます。

また逆に、被相続人の負債も相続財産の一種であり、主なものとして、住宅ローン、自動車ローン、その他借入金や未払い金などが挙げられます。

3 相続財産の調査方法について

⑴ 不動産

不動産を調査する際は、まず被相続人宛に届いている固定資産税・都市計画税の納税通知書を手掛かりに、名寄帳や、不動産全部事項証明書を取り寄せて確認をします。

⑵ 預貯金

預貯金を調査する際は、まずは被相続人が残している預貯金通帳などから調べます。

ただし、一部の定期などは通帳が発行されないものもありますし、被相続人が通帳を紛失していることも考えられますので、注意が必要です。

通帳がある金融機関については、被相続人のすべての預貯金口座等を照会しましょう。

また、通帳がなくても、被相続人がやり取りをしていたと思われる金融機関については、口座の有無について窓口等で照会を行いましょう。

口座がある場合には、被相続人死亡時点での残高証明書を発行してもらいます。

⑶ 有価証券

株式、国債、社債、投資信託などの有価証券は、まず口座のある証券会社や金融機関から届いている取引報告書等を確認し、残高証明書の発行を依頼します。

株式については、証券会社が分からないときでも、証券保管振替機構に照会をすればどこの証券会社で取引があったかがわかることがあります。

4 相続財産目録の作成

市区町村役場や金融機関等に対する問い合わせ、資料の取得が終わり、相続財産の詳細が明らかになってきたら、財産目録を作成します。

この財産目録は、遺産分割協議の基礎となります。

これらの調査は、場合によっては様々な機関に問い合わせをしなければならず、非常に手間がかかりますが、漏れのないように遺産分割協議をするためには重要な作業です。

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